白い日本酒はどぶろく?!にごり酒?!悶々とする違いを解消!
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2020.01.17

白い日本酒はどぶろく?!にごり酒?!悶々とする違いを解消!

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こんにちは!

「どぶろく」と「にごり酒」って棲み分けが正直曖昧なところでしょう。

とりあえず「濁っているお酒」ってことで楽しんでいる人は多いはずです。だって外見はほぼほぼ一緒ですからね。(笑)

結論から言うと「どぶろく」と「にごり酒」は別のお酒。

このことは、見た目では非常に解りづらく、飲み手のみなさんにはまだまだ知られていないことであります。

似ているようで似てない「濁っているお酒」について本日はご紹介していきたいと思います。

日本酒の原形といえるお酒が「どぶろく」

原料は水・お米・米麹。これは日本酒と同じですが、蒸米ではなく炊いたお米を使うのが一般的などぶろくです。また、日本酒のように三段仕込み(4日間の工程で3回に分けて発酵させる)は行わず、原料を一回で発酵させるというシンプルな工程によって醸せることから、昔むかしはどこの家でも原料さえ揃えばどぶろくは作れたといいます。

どぶろくは自家醸造酒。

というのは過去の話となり、庶民のお酒として嗜まれていたどぶろくは明治時代より酒税収入が減るということから自家醸造は禁止されてしまいます。現在では酒造免許・製造免許を取得しなければ日本では酒造りを行ってはいけません!というのが決まり。個人が嗜む程度の醸造量では到底、酒造免許を取得することは不可能となりました。

どぶろくは消えてしまうのか?

現在の日本には、国が定めた地域活性化政策により地域限定でどぶろく作りが許可されています。それが「どぶろく特区」なるもの。

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特区内に住んでいれば誰でもどぶろくを作れると思ってしまいがちですが、特定農業者(民宿やレストランを営み自らの営業にてどぶろくを提供する目的がある者)のみが醸造を許されています。参考までに岩手県の特区は以下の通り

日本ふるさと再生特区(遠野)、浄法寺ふるさと再生特区(二戸市)、あしろふるさと再生特区(八幡平市)、しずくいし・元気な農業・農村いきいき特区(雫石町)、和賀山塊湯の里どぶろく特区(西和賀町)、軽米町ミレットアグリ文化再生特区(軽米町)、奥州市米文化伝承どぶろく特区(奥州市)、平泉町どぶろく特区(平泉町)、藤沢町どぶろく特区(一関市)

と33市町村のうち9地域と全国的にみても岩手県は認定数が多い模様です。

この特区生産の醍醐味といえば、自ら(特定農業者)が育てたお米を使うことにあります。というか自家栽培米を使用しなければ製造許可は出ないのですが…自家栽培米、地元の水、そして地元の人間によって醸されるどぶろくは、地酒色がよりいっそう楽しめるお酒なのです。

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そもそも、どぶろくの濁り成分とはお米の粒々感そのまんまのもろみ(醪)にあります。

この米をダイレクトに味わうことのできる「どぶろく」の最大定義とは、

もろみを漉(こ)さないにあります。

そう、このもろみを漉す、漉さないこそが「どぶろく」と「にごり酒」の境界線となるのです。

ズバリ「にごり酒」は清酒。

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清酒の定義はこちら↓

イ 米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの
ロ 米、水及び清酒かす、米こうじその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(イ又はハに該当するものを除く。)。但し、その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量をこえないものに限る。
ハ 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの
酒税法における「清酒」の定義 (国税庁HPより引用)

というように、原料を発酵させて「漉す(こす)」ということが清酒の絶対的条件。アルコール発酵中のプクプク、ドロドロとした液体状態の醪(もろみ)を漉すことによってお酒と酒粕に分けられていきます。

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清酒は漉しているので結果的に透き通ったお酒となるのですが、どうしたって醪成分である沈殿物は出ます。いわゆる「滓(おり)」と呼ばれるやつ。これの量によって「にごり酒」や「おりがらみ」・「霞酒」と命名されていくわけです。あえて滓を入れる理由としては、味わいの層に厚みが出たり、口当たりの良さ等にあります。サラサラとしたものトロっとしたもの、こればかりは人の好みとなります(笑)。

参考までに、菊の司のにごり清酒はこちらの2タイプ。いずれも冬季限定のピチピチな新酒となります。※商品画像クリックでさらに詳しく↓

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百聞は一飲みに如かず

せっかくなので、岩手県のどぶろく特区のひとつ雫石町にある民宿なかがわさんの自家製どぶろく「一の雫(白)」と菊の司の清酒、純米新酒おりがらみ「美雪」を飲み比べすることにしました。アテは旬の鮮魚が豊富に堪能できる盛岡市に店舗を構える三陸海鮮酒場「浜来」さんにてお力添えいただきました。

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どぶろく「一の雫(白)」は僕自身はじめましてのお酒です。ワクワクしながらまずは香りを。乳酸飲料のような酸味をイメージさせる独特な感じです。実際に口に含むと、そこまで強く酸味は感じず、穏やかな酸と芳醇な米味が混在している印象です。一言でいうとボリューミー。お米の粒々感はおとなしく口当たりがとても良いです。

味噌が効いた鰯のなめろうを海苔で巻いて飲み合わせると一の雫の甘みがはっきりと。本当、美味しい。個人的にはどぶろくと青魚との相性はかなり良いと思います。僕は好きです。

次は、おりがらみ美雪。

香りは甘くパイナップルのようなトロピカルな感じです。やや濁りのお酒を口に含むと驚くほどにクリアな味わい。おりがらみ独特の層をほどよく残し、微発泡するガス感が軽快な飲み口を楽しめました。美雪を大葉で巻いた鰯のなめろうと飲み合わせしてみると、大葉の香りがぐーんと強調され鰯独特の酸味とお酒の甘みの重なりが堪能できます。正直、美味しいです。

☆三陸海鮮酒場「浜来」さんの店舗情報はこちらから↓
公式HPhttps://hamarai.owst.jp/
☆岩手県岩手郡雫石町・民宿なかがわ自家製どぶろく「一の雫」の詳細はこちらから↓
公式HPhttp://minshuku-nakagawa.com/
(ご協力ありがとうございました!)

結局、濁っている良さはボーダーレス。

何と言っても濁り成分のもろみ感でしょうね。これがあるから独特なクセを演出し、さらにはドロドロ?サラサラ?といった個性ある口当たりが生まれてくるわけです。最近は海外においても人気沸騰の濁り酒。通称「クレイジーミルク」なんて呼ばれ海を渡って楽しまれているようです。(笑)

更なるにごり酒のお楽しみといえば、火入れをしない生酒の状態で瓶詰してしまうことです。もろみ内で酵母が生きているため、発酵は継続します。瓶内でガス(二酸化炭素)の放出が行われるため、シュワシュワやピチピチとした弾ける活性酒を味わえるのです。このように造りの工程、味わいは少し違う両者ですが、「もろみ」を活かすという点は共通するということなのでしょう。

漉さないことを条件とした「どぶろく」、漉すことを前提に醸された清酒の中の「にごり酒」。

どちらも歴史ある日本の伝統酒ゆえに、しっかりと違いを後世に伝えられることが大切なことだと思います。

「和の心をもって、酒造りの心とする。」

今後とも日本酒の更なる周知に向け進んでいきたいと思いますので、ヨロシクお願いします。

それでは、22弾いきます!

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白い日本酒はどぶろく?!にごり酒?!悶々とする違いを解消!
松平隆寿 MATSUDAIRA TAKATOSHI

菊の司酒造営業部2017年入社。一期一会を大切に 和の心を広めていきたいです。
連載「まっさんの日本酒かるた」では、遊びながら日本酒に触れられる日本酒かるたの完成をめざして、
日本酒に関わるワードをわかりやすくご紹介していきます。

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