2020.06.5

岩手が育む酒米のダイヤモンド「結の香」で醸す香る華やか純米大吟醸

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食べるお米と酒米、そもそも何が違う?

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日本人の主食であり、日本酒の原料であるお米。

農林水産省によると、登録されているお米の品種はおよそ850種におよび、そのうち100品種を超える酒造りに使われるお米、いわゆる酒米(さかまい)が全国各地で栽培されています。酒米は醸造用米、酒造好適米とも呼ばれる、その名の通り酒造りに特化して品種改良されたお米たちです。「山田錦(やまだにしき)」「美山錦(みやまにしき)」「五百万石(ごひゃくまんごく)」「雄町(おまち)」「八反錦(はったんにしき)」「愛山(あいあやま)」などが有名でしょうか。

酒米の特長はさまざま挙げられますが、大きく分けると2つの性質に注目されます。

1つ目は米の形の特徴。酒米は一般米に比べて粒が大きく、中心には「心白(しんぱく)」と呼ばれる白い芯がみられます。粒が大きく「粘り(しなやかさ)」があることで、吟醸酒など外側を大きく削る精米時に米が割れにくくなります。また、心拍はデンプンが粗く結合した組織、例えるならば細かくひび割れたガラスのようなもので、その“ひび”の隙間に麹菌は菌糸を伸ばしていきます。

2つ目は米に含まれる成分のバランス。主成分はデンプン(炭水化物)ですが、たんぱく質や脂質、ミネラル分などが含まれています。一般に食べるお米の品種は、人が美味しいと感じるたんぱく質や脂質が多めに含まれています。これらはご飯のテリや旨味として感じる成分です。一方、酒米はそれら2つの成分をいかに低く抑えるかに着目されます。たんぱく質は発酵の過程で分解されアミノ酸になりますが、アミノ酸は多すぎると雑味になり、脂質は香りの成分が揮発するのを邪魔してしまいます。

つまり、酒米という品種はその大多数がいわゆる吟醸造りを想定して開発されたものです。

吟醸造りは、吟醸なら60%以下、大吟醸なら50%以下まで磨き落とさなければなりません。そのため、粒が大きく精米に耐えるしなやかさが必要なのです。また、余計な味わいを少なくしてキレイな味わいを良しとする吟醸酒にとってたんぱく質や脂質が邪魔なことも理解していただけるでしょう。

中でも山田錦は酒米の王様とも呼ばれ、一時期は「YK35」という言葉が流行ったほどです。YK35とは「(Y)山田錦を(35)%まで磨き(K)協会酵母を使えば鑑評会で金賞をとれる」というような意味で、その当時は鑑評会に行けばほとんどの出品酒がYK35で仕込んだ吟醸酒だったといいます。

当時は、と申しましたのも、今はちょっと様子が違うからです。

風土に合った地方オリジナルの酒米がハイレベルに

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実はお米の品種によって、栽培に適した環境があります。たとえば山田錦なら、特産地は兵庫県です。逆に岩手県では気温、日照時間などが合わず品質の良い山田錦は育たないとされています。東北は米どころですが、日本海側の北陸から秋田までと比較すると太平洋側は不利な環境にあります。台風、出穂後の北東の冷風「やませ」、山脈に囲まれた盆地は日照が短く、また昼夜の気温差が大きいなど厳しい条件があるのも確かなのです。

そこで、近年はその土地の風土に合った品種開発が全国各地で盛んになっています。現在岩手県では「吟ぎんが」「ぎんおとめ」そして「結の香(ゆいのか)」の3種が栽培されお酒造りに使われています。結の香は親に山田錦と華想い(はなおもい/青森県)を持ち、大きな粒としなやかさ、そしてたんぱく質の含有量を抑えながらも岩手県で栽培可能な吟醸品種です。

結の香を使っていると、本当に宝石のようにキレイで、粒が揃い、心白も程よい大きさ。しっかり蒸かしても透き通るような輝きを放っていて「外硬内軟」と呼ばれる蒸米の理想的な状態。岩手が誇る素晴らしい酒米です。

各種コンテストや鑑評会ではこういった地方オリジナルの品種で醸されたお酒も多く見かけるようになりました。そして、大変ハイレベルなお酒がどんどん世に出ているのです。

岩手流「結の香×南部杜氏」が醸す香りの華やかさ

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吟醸酒には、とても米で造ったとは思えない、フルーティで華やかな香りと甘味があります。

当蔵の「純米大吟醸 菊の司 結の香仕込」は結の香を精米歩合40%まで磨き上げ、南部杜氏が醸し上げた香り華やかなお酒です。メロンやモモを思わせるみずみずしいフルーティな香りと、その果汁のようなとろりとしたピュアな甘みが特長。「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2018」では金賞を受賞し、まさに岩手から世界へ羽ばたく一本です。

現在、結の香はその栽培の難易度から岩手県南の一部の地域でしか栽培されておらず、岩手県の酒蔵のみが結の香を使用してお酒を造っています。

岩手が誇る結の香を使いおいしいお酒を造り、お客さまに喜んでいただくことで、結の香をはじめ岩手県の酒米栽培やお酒造りがもっともっと良くなっていくことを、わたしたちは願っています。

「純米大吟醸 菊の司 結の香仕込」の商品概要

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「純米大吟醸 菊の司 結の香仕込」の飲み頃温度

「純米大吟醸 菊の司 結の香仕込」の酒蔵直送通販

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