2020.05.21
まいど!ゆーきです。
日本酒の出汁割りなるものが、流行っているらしい。
日本酒の出汁割り初めて飲んだけどおいしかった??よさこい節を歌いそうになった??
ぐら (@gura1544) February 29 2020”
「これはいけませんね」って言いながら日本酒の出汁割り飲んでる
沈目 (@tokoyonohonmaru) February 27 2020”
日本酒のおでん出汁割りは反則!!!
うめざわ (@enchan_ga_suki) February 24 2020”
流行っているとは言っても、実は結構前から日本酒の出汁割りは楽しまれていて、ガード下系、赤提灯系のおでん屋さんのシメとして昔からあるものです。その名の通り、日本酒におでんの出汁を足して飲む。七味なんかを足しながら。
日本酒メディアがこぞって取り上げてから、若い人たちにもポピュラーな日本酒の「新しい」楽しみ方として広がっているようです。流行りに乗るわけじゃないけど、やってみようかな、と思ったわけです。
でもな。わざわざ出汁割りのためにおでん作るのもな…。
おでんって意外と手間かかるし。
コンビニおでんで出汁もらってくるか…と考えていると。
あ、これでいいじゃん。
全国のおかあさんの味方、出汁風味調味料。
そのバリエーションは幅広く、最もポピュラーな「めんつゆ」に始まり色が付いていない「白だし」や顆粒タイプなど実に豊か。これらと味噌を溶かすだけでみそ汁ができてしまうわけですから、便利な世の中です。
よし、これで日本酒の出汁割りをつくってみよう。
今回使うのがこちら。
小栗旬のCMでおなじみ、お母さんの味がする「ほんだし」です。
つくり方ですが「火を使わない」「なるべく洗い物を出さない」ということで、電子レンジだけでやります。30秒でつくります。
まずはコップを準備。
だいたい180~200cc入るものを準備してください。もちろん電子レンジOKなもので。今回はワンカップを使用してみました。うちのカップは180ml入りなので、こちらで分量を計算していきます。
はじめに出汁風味調味料と水でコップの半分ちょいくらいの出汁をつくります。この辺の分量は調味料のパッケージに「〇〇倍濃縮」などと書いてあるので、これを参考に少し薄めにつくりましょう。当然、塩分が入っているので、味が濃くなりすぎないように気を付けます。
出汁が決まったら、ラップをかけて電子レンジで加熱します。沸騰しない程度、結構熱めに温めましょう。アバウトでOK。
温まったら、コップの残りに日本酒を投入し、軽く混ぜて完成。今回はたまたま家にあったこちらのお酒を使います。
温まった出汁に常温の日本酒を入れると「対流」ができて、きれいに混ざりやすくなります。さらに日本酒のアルコール分や香気成分を逃さずに風味を楽しむことができるので、日本酒は後から入れる方が吉。このやり方は焼酎のお湯割りと一緒ですね。
ちなみに日本酒のアルコール度数が15%の場合、このやり方だとだいたい5%くらいの出汁割りができあがります。ちょっと「ほっ」としたい時には十分。
さて、飲んでみましょう。
うまい。
もはや「お吸い物」的な完成度さえ感じます。
ほんだしのカツオを主体にした、日本人なら誰もがイメージできる「あの風味」にうまいこと酒が調和しています。どこかハマグリで出汁を取ったような淡い貝類の香りがしました。
出汁のおいしさの正体が「うま味」であることは、わざわざ言うまでもないかと思います。
昆布やチーズ、醤油などに多く含まれている「グルタミン酸」、肉類やかつお節などの「イノシン酸」、干しシイタケなどキノコ類の「グアニル酸」に代表される、数多のアミノ酸や有機酸がうま味の正体です。
おお、そうか。
「かつお節」で出汁を取ってイノシン酸を抽出し、発酵食品「味噌」のグルタミン酸で味付けをするから、みそ汁はうまい。
みそ汁のように「うま味×うま味」の調理方法は世界各地の料理で昔から実践されています。実際にうま味の相乗効果はあるそうで、単一のうま味成分よりも複数の組み合わせを味わう方が5倍もおいしさを感じる、というデータもあります。
日本酒にもうま味成分がたくさん含まれています。たとえば「コハク酸」とか。
コハク酸は主に貝類に含まれているうま味成分です。もしかしたら、先ほどの「貝類」のような風味が感じられたのは、この日本酒に含まれているコハク酸がイノシン酸との相乗効果で顔を出したのかもしれません。普通のお燗酒では絶対に感じられない風味でした。
他にも日本酒にはたくさんのアミノ酸や有機酸が含まれていて、呈味成分の数はビールが「1」ワインが「3」だとすると、日本酒には「8」も含まれています。非常に味わいに富んだ発酵飲料なのです。
そんな「うまみ飲料」を「出汁」で割ったらうまいに決まってるじゃないですか。冷静に考えたら。
そもそも、料理に酒、使うでしょ。
以前意外と知らない?「日本酒」と「料理酒」の違いとはにも書きましたが、料理の段階でふつうに酒を使うわけだから、まずいわけがないのです。これはワインとかでもきっと一緒でしょう。見た目は別にして。
絶対はずさない(だろう)ことが分かったので、別の出汁調味料でもやってみようと思います。家にあるやつで。
絶対家にあるやつの代表格。
…むむむ、なんか味気ないなー。
コンソメの野菜の甘味が引き立ちすぎて、かえって日本酒の苦味や酸味を引き立たせてしまう結果に。さらに旨味を足そうと「醤油(グルタミン酸)」をちょい足しすると、若干まとまるものの、なんかいまいち。これは美味しくない。
これも家にあるでしょ。
これもコンソメと同じく、味がバラバラな印象。香りはすごくイイのに。
ちょっと黒コショウを足してみました。これは旨い。中華風スープです。でも、ただの「酔えるスープ」になってしまった。
なんかコンソメとの共通点を感じて原材料欄を見てみると、結構似ていることが判明。この中のどれかが、日本酒との相性が悪い原因なのか…。おでんって地域や家によって具が違うけど、基本的に結構シンプルにしょっぱいものが多い気がする。あと、動物系。
もしかしたら「野菜の甘味系」スープには合わないのかもしれません。
これはいただき物で家にあったやつです。これ、めちゃくちゃ便利で美味しいのでおすすめです。しかも最近流行りの「鮮度維持二重ボトル」。
これは外れるわけがなく、うまい。しっかり昆布の出汁に、酒の味わいが食い込んでる感じ。一体感。
昆布系の出汁風味調味料はスーパーにもたくさん売っていると思うので「ほんだし」にならんでおすすめです。
ちなみにいわゆる「味の素」はわが家に無いので使いませんでしたが、あれは純粋なグルタミン酸なので変な味にはならないと思います。ちょい足し程度ならアリかもしれません。
家にあるもので日本酒の出汁割りをやってみました。
ふつうに美味しいのでおすすめです。汁物感覚で食卓に置けます。
もちろんアルコールが含まれているのでお子様や妊娠中や授乳中のお母さん方はダメですが、軽めに飲みたい時や「休肝日」にはうってつけでしょう。癒されます。
ぜひ楽しんでみてください。
では。