
2016.08.31
まいど!ゆーきです。
突然ですが、酒蔵に行ったことはありますか??
最近、うちも見学がとても増えていて、ご予約の電話も毎日のようにいただいてます。お客さまは観光もそうですが、出張の帰りに、中学高校の総合学習にと実にさまざま。中には海外の方も。日本酒に対する関心の高まりが伺えて、とても嬉しいです。
醸し出された環境を肌で感じ、蔵人の想いを耳にしてから飲むお酒は、また格別でしょう。ぼくもたくさんの酒蔵を見学させていただきましたが、やはり見た蔵とそうでない蔵のお酒では思い入れが違います。行きつけのお店に入荷されていると「おっ」ってなるし、親近感というか、そのお酒と仲良くなった気がしますよね。
酒蔵見学は大歓迎なのですが、中には「ちょっと困ったな」というお客さまがいるのも正直なところ。
ということで今回は、せっかくの思い出に水を差さないために、気をつけていただきたい本音トークです。
まず焦るのは、いきなり来社して事務所を観光待合室のように占拠しちゃうお客さまです。
せっかく酒蔵見学にお時間をいただいたからには、しっかりとおもてなしをしたいところ。ところが、ほとんどの酒蔵は見学専門のスタッフや設備がありません。つまり酒造りの現場を仕事の合間を縫ってご案内している場合がほとんどなのです。そのため予約のないお客さまには、やむなく見学をお断りすることも少なくありません。
そうならないためにも、ぜひ事前に見学の予約をしましょう。
そもそも、見学に対応していない酒蔵もありますので、電話かメールでの問い合わせはマストですよ。
酒造りは微生物の力を借りるものです。そのため、酒蔵の中で完全な無菌状態をつくることはできませんし、しません。絶妙なバランスの微生物環境の中で、唯一無二のお酒が醸し出されているのです。蔵を建て替えて酒の味が変わった、なんていうのはよく聞く話ですよね。
だから、必要ない微生物を蔵に持ち込まない、というのが酒蔵の昔からの考え方です。
中でも厳禁なのが納豆菌。納豆菌は非常に生命力が強く、核戦争で生き残るのはゴキブリと納豆菌、なんていわれるぐらいタフな生き物です。そんな納豆菌が麹に混ざってしまうと、麹菌より先に繁殖してしまい、「ヌメリ麹」になってしまうのです。ウソのようなホントの話、納豆麹のできあがりです。当然ながらおいしいお酒はできません。
ただでさえ麹室はデリケートなので、一般の方はほとんどお通ししませんが、普通に話しているだけでもその辺に納豆菌を植え付けてしまうことになります。酒蔵に行く前に納豆は食べないようにしましょう。
それから、乳酸菌も注意したいところ。ヨーグルトや漬物などの発酵食品も食べないようにした方が無難です。
せっかく行ったからには、そこでしか飲めない秘蔵のお酒や搾ったばかりのお酒なんて飲めたら最高ですよね。酒蔵見学の醍醐味のひとつです。
でも、飲んでいい酒と飲んじゃダメなお酒があることをご存知ですか??
ざっくりいうと、飲んでいい酒は瓶に詰まっている酒、飲んじゃダメな酒は詰まってない酒です。
これは酒税法の話で、詳しく説明するとややこしいのですが、タンクの貯蔵酒や搾り出ている原酒などは未納税で、勝手に飲むと脱税です。酒税は酒蔵が納めるものですので、その罪に問われるのは酒蔵です。実際、テレビの酒蔵見学企画でそういった場面が放送されて大炎上、厳重注意を受けた蔵もあります。
自慢のお酒を飲んでいただきたいのは酒蔵も同じなので、飲んでいい酒が出てくるまではガマンですよ。
いかがでしたか??
お互いに楽しい酒蔵見学にするために、ぜひこれらのポイントは覚えておきましょう。
ちなみに、菊の司酒造でも酒蔵見学(要予約)を承ります。
盛岡へお越しの際には、ぜひお立ち寄りください。
見学の後は平興商店で。
では。