味覚が全てじゃない!瓶の色で変わる日本酒の味の感じ方
味覚が全てじゃない!瓶の色で変わる日本酒の味の感じ方

2019.09.20

味覚が全てじゃない!瓶の色で変わる日本酒の味の感じ方

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こんにちは!桃子です。

おいしい酒って何でしょうね?まぁ人それぞれですよね。

料理にしろ、お酒にしろ、口に入るのですからおいしいかどうかの判断やどんな味がするかは舌で感じる、つまりは味覚で判断すると思います。

当たり前じゃんって思われそう…。

 

しかしですね、思いのほかそうでもないかしれませんよ。

例えば、さらっとしていて飲みやすそうなテイストの日本酒を買おうとしているとしましょう。お店でラベルは同じで棚に水色の透明瓶と黒瓶が並んでいたら、どちらの瓶を手に取りますか?

私だったら前者が気になります…。

今回は瓶の色と日本酒の味の感じ方って関係があるのだろうかという疑問をもとに進めていきます。

それでは、「美の徳利」スタートです☆

瓶の色で日本酒の味の感じ方は変わるの?利き酒@材木町よ市

瓶の色が味の感じ方に影響するのかを調査するため9月7日に行われた「よ市」にて利き酒を実施しました。

「よ市」は4月~11月の毎週土曜日に盛岡市材木町の商店街で開催される路上買物市です。地元の方にはおなじみのイベントですね。当蔵も不定期で出店しています!

店全体

利き酒の対象は、よ市にいらっしゃっていた方60名(年齢性別問わず)です。

実施形式は、銘柄当てではなく、A~Fの色が異なる瓶6本に入った日本酒をそれぞれ試飲し、アンケートに飲んだ時の印象を選択肢から選んで答える形式です。

瓶はAがピンク、Bが青、Cが緑、Dが黒フロスト(つや消し加工の瓶)、Eが茶、Fが無色です。

瓶ポートレート

印象の選択肢は、「華やか」「甘い」「ドライ」「すっきり」「好き」「苦手」「どっしり」「濃い」「おだやか」「うすい」の10項目と自由記述欄を設けました。

アンケート

調査目的の性質上、瓶ごとに酒質が異なると結果に影響すると考え、条件を同じにするために中に入っていたお酒は全て統一し、当蔵の「純米酒 七福神」を入れました。また、企画の意義を担保するため、ご協力いただいた方には全ての瓶に同じお酒が入っていることはお伝えしていません。企画の意図等詳しく事前にご説明できなかったこと申し訳なく思っております。そして、ご協力いただきました方々に感謝いたします。

それでは、結果発表といきたいところですが、その前に…

おいしさを感じるのは味覚じゃない!?

私たちが食事をするとき、おいしさを五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)で判断しています。ですが、この五感の中で一番働いているのは、味覚や嗅覚でもなく、視覚だそうです。

目

どのぐらいよく働いているかというと情報の83%は視覚から得ていると言われています。ちなみに、聴覚が11%、嗅覚が3.5%、触覚1.5%、味覚はなんと1%です。(”Your Senses Are Your Raw Information Learning Portals” ,VELVET CHAINSAW CONSULTINGより)

味覚の割合低すぎですね。

なんだかこの記事を書いていて結構複雑な気持ちになりました。

私たち、目で食事をしているということでしょうか。舌って結構あいまいです。

味の決め手は色?

食事をする時に視覚が83%も使われている。つまり、味の感じ方も視覚からの情報で大きく左右されるということです。

視覚の中でも特に影響するのが色覚です。

七色グラス

ご存知の方も多いかと思いますが、かき氷のシロップ。実は味自体は全部同じです。イチゴ味(赤)もレモン味(黄色)、メロン味(緑色)も一緒です。なぜ違う味に感じるかというと、視覚で得る情報はこれまでの経験に基づいており、イチゴ=赤、赤いかき氷を見ればイチゴ味だと脳が思い込んでしまうのです。

あと、一般的には赤やオレンジなど暖色系の食材ほど食欲をそそり、見ただけで胃腸の働きを活発にする効果があるようです。一方、紫や緑などの寒色系の食材は食欲を減退させる効果があります。

色って重要ですね。

ここで日本酒の話に戻ります。日本酒の瓶は茶色が主流ですが、最近は色もカラフルで、形もデザイン性に富んだ瓶が増えてきました。当蔵では茶色はもちろん、緑色や水色など複数の色を使っており、瓶の色をお酒の銘柄やテイストなどによって使い分けています。

菊の司瓶

日本酒の場合も色覚(瓶の色)によって味の感じ方が変化するのでしょうか。

結果発表

お待たせしました。利き酒の結果です!アンケートの回収率は100%です。

下記の表は瓶の色別に各項目(華やかなど)を全体の何%の人がそう感じたかを示しています。

スライド1 スライド2

項目別に見てみると、「華やか」と感じた人はピンクの場合で25%にいるのに対して、青の場合では8.3%にとどまっており、その他の項目においても色によって数値に多少バラつきが見られました。

全ての色の組み合わせを棒グラフで開示することは難しいので、一部だけピックアップして結果を紹介します。

【棒グラフ】ピンク・茶

ピンクと茶を比較してみると、「甘い」「すっきり」で特に感じ方に差が見られます。「濃い」「うすい」などの項目ではほぼ感じ方に差が無いようです。

【棒グラフ】青色

青と無色を比較してみると、「甘い」「濃い」「おだやか」「うすい」で特に感じ方に差が見られ、「ドライ」「好き」などの項目ではほぼ感じ方に差が無いようです。

酒質は全ての瓶で同じなので、特に差が見られた項目が色覚の影響を受け、味の感じ方に差が見られたと考えられます。

まとめ

普段意識することが無いので色に味覚が左右されるなんて、改めて考えてみると不思議です。

みなさんは今回の結果をどのように捉えますか?

ひとりの造り手としてはやはり味覚(味)や嗅覚(香り)で飲んでおいしいかどうか、好みかどうかが大切だと思います。ですが、調査結果を受けて味の感じ方が色の影響を受ける以上、瓶の色も含めてパッケージデザインの重要性を感じました。

色に左右されるということもありますが、実際にお酒買う時は判断材料が値段や銘柄、商品デザインぐらいしかありませんし。利き酒できないですしね。

そして、みなさんが日本酒を飲む時は、味覚を使いがちだと思いますが、視覚も使って色や形に少し意識を向けて日本酒を楽しんでみてください。買った日本酒の瓶をゆっくり眺めるもよし、使う酒器にこだわるもよしです。ちなみに酒器は瓶以上に多種多様なので、どんな時にどんな酒器を使うかでもまた味の感じ方が変わってくると思います。より日本酒を楽しめそうですね。

それでは、次回の「美の徳利」もお楽しみに!

  

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モモコ

商品部2019年入社の蔵人女子。奥深い日本酒の世界を日々勉強中です。連載「美の徳利」では、日本酒を「美」にまつわる視点から取り上げ、飲んでおいしいだけじゃない日本酒の魅力をお伝えしていきます。

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