お正月、酒席の後に七草粥!人日の節句のはなし
お正月、酒席の後に七草粥!人日の節句のはなし

2020.01.5

お正月、酒席の後に七草粥!人日の節句のはなし

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あけましておめでとうございます。風香です。

本年もよろしくお願いいたします。

さて、今回の風香の小話は久しぶりの節句シリーズ「人日の節句」のお話です。

人日の節句とは?

正月飾り

そもそも、節句と言うのは中国の暦法や日本の風土に合わせ豊穣や無病息災を願い行う行事のことです。

そのなかでも縁起の良い陽の数字(奇数)が重なる日に執り行われた節句が五節句と呼ばれ、人日の節句もこの五節句に含まれます。

他の五節句についてはこちらをご参照ください。

 

これらの五節句に倣えば1月の節句は1月1日になります。

しかし、この日は元日。

節句を定める以前から一年で最も目出度く神聖な日として祝われています。ですから、1月の節句だけは特別に1月7日に行われているのです。

では、なぜ7日なのでしょうか?

古来、中国では1月の初週は1年の吉兆を占う重要な期間でした。1月1日は鶏の日、2日は狗の日、3日は猪(豚)の日、4日は羊の日、5日は牛の日、6日は馬の日、7日は人の日、8日は穀類の日。それぞれの日には該当する動物を殺さない、7日は犯罪者への刑罰を行わないというルールが敷かれていました。

人を大切にする日ですので、元旦にかわる節句の日として選ばれたわけですね。

人日の節句と七草粥の話

人日の節句は別称「七草の節句」といいます。人日の節句の早朝に七草粥を食べるから七草の節句。

最近では1月にスーパーに行けば七草粥セットなんか売ってたりしますよね。

セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザスズナ、スズシロ、これぞ七草。

なぜ人日の節句ではこの七つの植物を入れた粥を食べるようになったのでしょうか?

七草粥の由来の一つに、七草草紙に書かれた物語があります。

むかし、唐の楚国にたいそう親孝行者の男がおりました。男の両親は大層老いており、余命いくばくもありません。悲しむ男は山に入り苦行を行い、両親が若返るよう何日も祈祷します。
その想いが届き、天上の帝釈天から男にお告げがありました。

「1月6日までにセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの七草を集め、酉の刻から一刻に一種類ずつ、柳の器に草を乗せて玉椿の枝で叩きなさい。そして、辰の刻にこれらの草を合わせ、東から清水を汲んできてこれを煮て食べさせなさい。一口で10歳、七口で70歳若返り、ついには8000年をも生きることが出来るでしょう。」

男は不思議に思いつつもお告げに従い、夜通し草を叩き、朝方に水を汲んで草を炊き両親に食べさせました。

すると何という事でしょう、両親はたちまちに若返り男は大層喜びました。

これが世に伝わり、当時の帝はこの話に涙し、親孝行な男に位を賜ったそうな。

即ち、七草の由来は親孝行の大切さを説くとともに健康面を意識したものであると考えられます。また、日本には「初摘み」という年の初めに植物の若芽を摘んで新しい生命力をいただく習
慣がありました。これらが混ざり合い、現代に続く七草粥になったのではないか、といわれています。

ちなみに、七草粥が庶民に広く広まったのは江戸時代になってから。七草粥を食べる事が江戸幕府の公式行事になったことが起因しています。

七草粥は酒の友

七草粥に含まれる七草は、栄養学的な観点から見ても非常に優れた食品です。

柔らかいコメが消化しやすいことと、お通じの改善や急な血糖値の上昇を防ぐ食物繊維が豊富なことは想像に難くないと思います。しかし、七草粥のメリットはそれだけではありません。特にセリ、ハコベラ、スズナ、スズシロはお酒を飲んだ後に摂取したい成分がたくさん含まれています!

セリには整腸作用の他、消化管や臓器の保護に関わるビタミンB群や抗酸化作用のあるビタミンC、胃や腸の粘膜保護の役割を持つビタミンAの前駆体となるβカロテンが豊富に含まれています。またセリは水芹という生薬としても使用されており、食欲増進作用もあるとされています。

ハコベラは利尿作用のあるサポニンがアルコールの排出を補助してくれます。

スズナ(蕪の葉)には消化酵素のアミラーゼが多く含まれており、消化を助け胃もたれ防止に一役買っています。

スズシロ(大根の葉)にもアミラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼなど消化酵素が多く含まれ、消化や代謝を促します。大根に含まれるスルフォラファンは肝臓の機能を活性化させアルコールの代謝を促します。またβカロテン、カリウムやカルシウム等のミネラルも豊富に含まれています。

春の七草

これらの食材を最大限に生かすためには、加熱し過ぎず、さっと火を通して食べること!

あらかじめおかゆを作成しておき、細かく切った七草を加えて弱火で蒸らすと良いと思います。

ジェネリック七草粥を作りました

ここまで七草粥のアピールをすれば、そろそろ皆さんも七草粥を作りたくなってくるはず

しかし、大変なことにこのコラムを書いている今は12月の中旬。スーパーに七草粥セットが売っているわけもなく、その辺で草集めをしようにも近所の公園には雪しかありません。

仕方がないので、手に入りやすいセリやスズナ、スズシロ以外の食材をスーパーで季節を問わず入手できる食材に代替した七草粥…すなわちジェネリック七草粥を作ることにしました。

使用した材料はこちら。

七草

豆苗や春菊、ネギはβカロテンが豊富で、酒で荒れた胃の粘膜保護に効果があります。

さらにネギに含まれる硫化アリルは体内でアリシンに変換され、ビタミンB群の吸収量を増やす効果も!ハーブのような香りの強い食材を複数使用しない限りは、何を使用してもそれほど違和感はないように思います。

ここまでくると7種の葉物野菜に拘る必要性は全く感じられませんが、今回はあくまで七草粥の記事ですので七草縛りで敢行したいと思います。

できました。

粥

もちろん、スーパーの七草粥セット等で作っても美味しくできることと思います。自分の体と相談して、お好みの野菜でオリジナル七草粥を作ってみてください。

二日酔いには胃に優しいものを食べることも大切ですが、そもそも二日酔いを未然に防ぐことも重要です。

 

余談ですが…年末に複数人とお酒を飲む機会があったので、各コラムで紹介している二日酔い防止方法(水を飲む、特定のおつまみを食べる等)を試してみました。

一番効果があると感じられたのは「高頻度で水を飲む」「胃にある程度食べ物を入れた状態でお酒を飲む」といった方法で、逆に栄養学的に有効であると考えられたおつまみ(当コラムで以前紹介したほっけ先輩の酒粕クリームチーズ等)はお酒を飲む前にある程度食べないと効果が薄いように感じました。

さて、人日の節句と七草粥のはなし、いかがでしたでしょうか?

年末年始は何かとお酒が伴うもの。お酒の後には七草粥で胃を労わって、今年も一年健康に過ごしましょう!

それでは、今回はこのあたりで。次回もまたよしなに。

  

  

  

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風香

2019年商品部入社。
元分子細胞生化学専攻の理系。理系ですが歴史や軍記物の読書が趣味です。本コラムでは歴史や文化、古典に時々科学をまじえながら「食卓の外の日本酒の話」をしたいと思います。

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