極論、日本酒は全て「甘口」なんです。
極論、日本酒は全て「甘口」なんです。

2016.08.19

極論、日本酒は全て「甘口」なんです。

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まいど!ゆーきです。

突然ですが、辛口と甘口のお酒、どちらがお好きですか??

「辛口じゃない日本酒は認めん!」っていうおやっさん。

「カクテルも酎ハイも日本酒も甘口が好き!」っていう女子大生。

いろんなお酒がありますから、それぞれ好みがあるのは当然でしょう。では、質問を変えます。

あなたが好きな「辛口」のお酒は本当に「辛口」ですか??

あなたが好きな「甘口」のお酒は本当に「甘口」ですか??

ということで、今回は日本酒の甘辛についておさらいしていきましょう。

 

日本酒ができるまで

極論、日本酒は全て「甘口」です。

日本酒の甘辛を語るには、まずはその造り方を説明しなければなりませんね。スーパーざっくりまとめると、

①米のデンプンを糖に分解する

②糖をアルコールに発酵させる

以上です。つまり、糖化と発酵だけで酒はできてしまうのです。こだわりや技術はあくまでプラスアルファの部分であって、それらが不可欠なものであったなら、弥生時代に酒は生まれません。酒造りとは、酵母のエサになる糖を大量に準備し、発酵させてアルコールに変えるということなんです。この大原則はどんなお酒もおんなじです。ワインもビールも。

さて、このたった2行の工程説明の中に、甘いものがすでに登場していますね。「糖」です。

 

糖(甘さ)がなくなっていく発酵

繰り返しになりますが、お酒の発酵というのは、酵母が糖をエサにアルコールを代謝すること、です。

日本酒のもろみは3週間強かけて発酵していきますが、たとえば大吟醸酒の場合、初期の糖濃度は5%ぐらい。それが出来上がりのころには2%前後まで減ります。搾りたての原酒のアルコール度数は17度くらいです。初期のもろみをなめてみるとめっちゃ甘いです。それができあがりのお酒はみなさんもご存じのとおりすっきりしています。それはお酒の中の糖分が減っているからです。

まとめると、日本酒の辛口と甘口とは、お酒の中の糖の量に依存します。つまり、「甘いか甘くないか」なのです。

ちなみにアルコール分であるエタノールは刺激物ですが味覚的には甘いものです。

極論、日本酒は全て「甘口」です。

おや、お気付きでしょうか??

日本酒に辛いものは入っていないのです。

 

極論、日本酒は全て「甘口」なんです。

じゃあ辛口なんて言うなよ!ややこしいだろ!

その通りです。ごめんなさい。うちの商品にも辛口を謳う商品はあります。でも、甘くないものを他になんと表現しましょうか。

甘辛の目安に「日本酒度」というものがあります。プラスが辛口、マイナスが甘口、といわれているアレです。

極論、日本酒は全て「甘口」です。

この日本酒度、もともとはもろみを搾るタイミングを計るためのものです。重りのついた浮標(ふひょう)を試液に浮かべて液体の比重を測定します。ああ、また難しいワードがでてきました。要は、その液体が水と比べて重いか軽いかということです。糖は水より重く、アルコールは水より軽いので、浮標がマイナスを示せば糖が多く、プラスならアルコールが多い(=糖が少ない)ということ。たしかに酒造りにとっては重要な数値ですが、日本酒度って、その程度のものなんです。

もともと味覚を表す数値ではないので過信は禁物ですよ。はっきりいって、酒は飲んでみないとわかりません。

 

好みのお酒を伝えるには??

極論、日本酒は全て「甘口」です。

日本酒を扱うプロがお客さんに言われて一番困るのがたぶん、「辛口の酒ください」だと思います。次が「飲みやすい酒ください」かな。まあ、甘くない酒はどこでも置いてあるので、それをおすすめされると思います。その店で一番「甘くない酒」です。

ちなみに、日本酒に含まれる味覚成分は世界のお酒で断トツで多いです。ワインの倍はあるともいわれています。そんな飲み物を糖とアルコールのバランスでしかない「辛口」「甘口」で表現できるわけがありませんよね。味の濃さだって違うし、酸味や渋み、苦み、旨み…日本酒の世界はもっともっと奥深いものなのです。

他人に伝えてわかってもらうには、「オノマトペ(比喩)」が有効です。

すっきり、さっぱり、さらっと、どっしり、ふんわり、きりっと、ぐぐっと、からっと、しゃきっと、つーんと、ぴりっと、とろっと、しゅわっと、どろっと…した酒。です。

普段飲んでいるお酒や、お気に入りの銘柄を伝えるのもいいですね。

あとは、せっかくおすすめしてもらったお酒は美味しく飲みましょう。「キリッとした酒です」って店員さんが持ってきてくれたら、キリッと飲み干せばいいんです。ちんたら飲んでたらキリッとしませんよ。ここにきて暴論ですが大マジです。うまいと思って飲めば、どんな酒でも美味しいところが見えてくるものです。

 

いかがでしたか??

ぼくは酒の好き嫌いがあまりないので、この手の説明が一番苦手です。

辛口甘口で好き嫌いしないで、ぜひいろんな日本酒を飲んでみてくださいね。

では。

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極論、日本酒は全て「甘口」なんです。
平井佑樹 HIRAI YUKI

岩手県最古の酒蔵、菊の司酒造16代目蔵元(予定)。
地元盛岡で生まれ育ち、明治大学を卒業後ブーメランで蔵入り。
日本酒「菊の司」「七福神」の他にオリジナル「平井六右衛門」を醸してます。
1991年10月12日生まれ。たまの休日は少年野球とデジイチさんぽ。
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