身体を温めて冬を乗り切れ!冬至の酒のはなし
身体を温めて冬を乗り切れ!冬至の酒のはなし

2019.11.29

身体を温めて冬を乗り切れ!冬至の酒のはなし

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こんにちは!風香です。

暦の上でも、体感的にも、すっかり冬になりました今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか?

冬といえば、先日ついに冬の季語でもある「亥の子餅」の入手に成功いたしました!今回購入させていただいたのは盛岡の和菓子専門店「竹房」の亥の子餅です。

亥の子餅

自分で作ったものよりやや小ぶり、甘さ控えめでお茶や酒のお供にぴったりですので是非食べてみてください!

亥の子餅について詳しくはこちらをご参照ください。

 

閑話休題。

さて、寒い冬には体を温める秘訣が欲しいもの。今回の風香の小話は、昔の人々に学ぶ冬本番に向けた「冬至と酒」のおはなしです。

冬至とは

「冬至、冬なか、冬はじめ」という諺があります。

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冬至って暦の上では冬の折り返し地点だけど、寒さが厳しくなっていくから冬の始まりみたいなもんだよね~という意味です。

冬至は「一陽来復」という日が昇る時間が短くなり生命(太陽)が死に絶え、日が長くなり再び生命(太陽)が復活する期間のちょうど真ん中の節目として祝われてきました。

この二つを踏まえて、「日長時間が切り替わる節目の日」、「冬本番に向けて英気を養う日」という意味合いを持ったのが現代に残る「冬至」です。

冬至の食べ物は体を温める!

冬至には冬至かぼちゃをたべるのよ~とか、柚子湯に入るのよ~というのは皆さん聞いたことがあると思います。冬至かぼちゃ、冬至粥、冬至こんにゃくのような特定の物を食べると良いっていうのはどこから来たんでしょうか?

土用丑の日に「う」のつく食べ物を食べるってありますよね。

これに対して、冬至には「と」のつく食べ物を食べるとよいとされてきたようです。他にも「ん」のつく食べ物を七種類食べると幸せになれるとも言われています。

たとえばとうふ、唐辛子、こんにゃく、みかん、れんこん…これらの食材には(詳しい効能を書くと長くなるので割愛しますが)体を温める作用、もしくは体が温まる調理法で処理されるものばかりです。つまりは風邪や冷え対策だったわけです。

「と」や「ん」に当てはめるとかぼちゃや柚子湯は該当しなくなってしまいますが、これらが冬至に用いられていた理由もちゃんと科学的に裏付けできます。

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まずはかぼちゃ。

だんだんと作物が取れなくなる冬場においては、命を繋ぐビタミン豊富な野菜です。

免疫活性や粘膜保護を行うビタミンAの前駆体となるカロテン、消化器官や臓器を守るビタミンB群、抗酸化作用を持つビタミンC、塩分の排泄を促し筋肉の痙攣を防ぐカリウム、おなかの調子を整える食物繊維が多く含まれているかぼちゃは、中気や風邪を防ぐ霊力があるとして古来より重宝されてきました。

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柚子湯で用いられる柚子にはビタミンCが多分に含まれており、その量は果汁より皮のほうが4倍ほど多いとされています。

柚子湯では輪切りにした柚子を湯船に浮かべますが、こうすることでMethyloctanal(メチルオクタナール)をはじめとした数百種類の香気物質が揮発し柚子独特のいい香りがいっぱいに広がります。

最近発見されたユズノンは柚子独特の青いようなスッキリするような香りの中核を担っていて、リラックス効果や血行促進なんかが期待できるようです。

身体が温まる食べ物といえば、冬はショウガもいいですよね。

先日公開されたほっけ先輩の「温活」おつまみはご覧になられましたか?晩御飯のおかずにもおすすめですよ!

 

冬至の酒のはなし

もうひとつ「ん」がつく大事なものがあります。そう、日本酒です。

「ん」関連で調べてもは日本酒は出てこなかったので完全な私のこじつけですが、もちろん冬至にお酒は飲まれてました。

古来、秋の恵みに感謝する新嘗祭では、新たな火をくべた窯で炊いた粥と、粥と同じ米で醸した酒を神前に揃え、神様と共に飲み食いしたとされています。

この風習が冬至粥の由来とされ、今でも冬至に粥を食べる習慣が残ったと考えられています。

祭事の中核をなしていた酒、冬至ではどのように飲んでいたのでしょうか?

まずはスタンダードにお燗。熱々にして鼻水が垂れるくらいの温度で飲むのが通だったようです。逆にキンキンに冷やした冷酒を飲み「体内を清める」としていた地域もあったそうな。

変わり種では酒茶漬け。熱々のご飯、もしくは冷や飯に漬物を載せて、熱したお酒を注いで茶漬けのようにして食べたとされています。もはや茶の要素はどこにもありません。

似た系統では酒で炊いた粥なんてのもあったそうです。

アルコールは水より沸点が低いので、お酒でお米を炊いても芯がのこってしまいます。そのため粥という形になったのだと思います。

そして調べてるうちに見つけた不思議な飲み方、酒粕を酒で溶いて温めて飲む。

アルコール感が強い甘酒みたいなものなんでしょうか。少々気になったので作ってみました。

酒

酒粕は上槽後の剥したて吟醸粕を拝借。和の酒で溶いて沸騰しない程度に温めました。

見た目は普通に甘酒。お味の程は…子供には飲ませられない甘酒だ!

例えるなら10日目くらいのもろみです。

ちょっと砂糖を加えると甘くコクのある、カパカパ飲めるヤバい酒になります。美味しいし温まりますが、これは飲みすぎ注意!

酒粕活用術・酒粕豆知識についてはこちらをチェック!




余談ですが、今年の冬至(12/22)は「酒風呂の日」だそうです。

日本酒と柚子で贅沢な入浴…しちゃいませんか?

 

さて、冬を乗り切る知識が詰まった「冬至と酒」のおはなし、いかがだったでしょうか?

冬至を飲食の面から見れば、柚子湯に入って熱燗を飲み、豆腐の味噌汁を啜ってかぼちゃを食べる…体を温めるための行事である事が分かります。

年の瀬に、美味しいものを賑やかに飲み食いして、寒さで陰鬱になる気分を吹き飛ばしてしまいましょう!

それでは、今回はこのあたりで。次回もまたよしなに。

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風香

2019年商品部入社。
元分子細胞生化学専攻の理系。理系ですが歴史や軍記物の読書が趣味です。本コラムでは歴史や文化、古典に時々科学をまじえながら「食卓の外の日本酒の話」をしたいと思います。

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