2020.11.12

ぜ~んぶ見せます!菊の司流 蔵人の仕事のはなし

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こんにちは!風香です。

気温も日に日に寒くなり、菊の司では今年度の日本酒造りが本格始動してまいりました。

…なんてことを友達や知人に言うと、必ず返ってくるセリフがあります。

「あれでしょ?なんか棒でかき混ぜるやつ」

ちっが~~う!!

いや間違いではないんですけど、その作業は全体の数パーセントにすぎません。本当はもっといろんな作業を同時並列でやってるんだよ~と悶えることのなんと多いこと!もどかしいので思い切ってコラムにまとめてみることにしました。

題して、「菊の司密着24時~日常編~」です。今回のふうかのこらむは化学をちょっとお休みして、蔵人が酒造りの間何をやっているかをダイジェストでお届けします。

8:00、始業

菊の司の朝はお米を蒸かす作業から始まります。

米を蒸す

固さを確認

お米は使用用途により種類、水分量など様々な条件が変わります。蒸し上がりの状況を入念にチェック!

ほどよく蒸し米を冷ましたら…運ぶ!運ぶ!運ぶ!

近藤さん

この日は麹になる米、もろみになる米、酒母になる米と3種類ありましたので、だいたい30~40分くらいお米を抱えて走り回りました。例えるならお米を抱えたシャトルラン。めっちゃムキムキになれますよ。

出勤している蔵人のほぼ全員が朝はこの作業に集います。

お米を蒸かす作業が終わると、蔵人たちはそれぞれの作業へと散っていきます。

麹担当は麹のお世話を、酒母担当は酒母のお世話を、もろみ担当は醪のお世話を…といった具合です。

余談ですが…私は今年度、酒母の担当(いわゆる?屋)をさせていただいています。大学時代しこたま酵母を増やし育ててきた自分が、また酵母を増やし育てる立場になるとは…嬉しいやら気恥ずかしいやら。かわいい酵母のため、培ってきた経験と知識をフルに活用して頑張っていく所存です。

あ!ご覧ください!これが皆さんの酒造りの認識の8割を占めるであろう「なんか棒でかき混ぜるやつ」です!

櫂入れ

通称「櫂入れ」といいます。

タンクの内容物を均等に混ぜたり、タンク内の温度を均一にするために行う大切な作業ですが、8時間働いてる中でこの作業を実際にやるのは全部のタンクでの作業を足してもおおよそ20分程度。意外とやってないんですね。

酒蔵のHPとか見るとよく出てくる絵面は麹をつくる「製麹」という作業。

種切 製麹

こちらも別にず~っとまぜこぜしているわけではなく、小一時間程度。

じゃあ大部分は何してるのかというと…洗い物です。

クラッシャー 洗い物

仕込みに使った道具、これから使う道具、蔵の中の様々な場所を洗って、洗って、洗っているのです。

酒造りは菌や酵母を取り扱う仕事ですから、雑菌汚染やコンタミは何としても避けねばなりません。たかが洗い物、されど洗い物。蔵人にとって酒を仕込むのと同じくらい大切な作業です。

午後の部、始動

お昼ごはんでエネルギーをチャージしたら、午後のお仕事再開です。午後は午前中以上に各人がバラバラに動いてることが多いので「米を運んで以来姿を見てない人」とか「昼食以来言葉を交わしてない人」とかよくありますね。

作業の大部分は大きく分けて「翌日以降の仕込みの準備」か「酒母、もろみの経過観察」に大きく分けられます。

翌日に蒸かすお米を洗ったり。

洗米

今後使うお米を引き取りに行ったり。

米の引き取り

酒母やもろみの成分分析をしたり。

分析

酒母やもろみの経過を記録にまとめたり、書き物仕事をしたり。

書き仕事

いろんな業務を同時並列でこなしながら、蔵人の一日は過ぎていきます。

17:00、終業 そして蔵前へ

一日の業務が終了した後は、全員で集まって1日の報告や翌日の予定の確認などを行います。

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色々な作業が同時に行われてもこんがらがってしまわないのは、事前に予定を話し合って決めているからなんです。頭も体もフル活用するので、この時間になるとエネルギーが切れかけて明日のジョーみたいになる人もいたりいなかったり。

これだけ書き連ねると蔵人って結構なハードワーカーに見えますよね?

でもご安心を。昨今の酒蔵は上手くシフトを組んで休日をちゃんと作っています。ぐわっと働いて、休日はめいめいにリフレッシュ。そしてまたぐわっと働く。よい蔵人たるもの、オンオフの切り替えもバッチリ決めなくては!

さて、お酒造りはここでひと段落。

蔵の業務が終了すると同時に今度は「蔵前」が始まります。

蔵前とはなんぞや?という方はこちらをチェック!

蔵前

 

蔵前では日替わりで蔵人が皆様のご来店をお待ちしております。きくつかこらむの各筆者が店頭に立つこともありますので、コラムの感想なんかいただけると泣いて喜びます。

蔵前蔵人

また普段はなかなか見かけることも少ない「レア蔵人」が店頭に立つことも!ぜひいろんな蔵人とお話してみてください。

あれ?蔵人って案外女性も多い?

そこに気が付くとは鋭い!蔵人=男性という印象が強い日本酒業界ですが、菊の司にはバリバリ働く女性蔵人がたくさんいるのです!気になった方はこっちのコラムもチェック!

 

さてさて、菊の司の蔵人のお仕事、ちょっと理解が深まったのではないでしょうか?

本当は「商品企画の部」とか「メディアチームのはなし」とかもっと色々と書きたい仕事はあるんですが、とても長くなるので今後のお楽しみということにしといてください。

それでは、今回はこのあたりで。次回もまたよしなに。

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