
2019.05.16
はじめまして、モモコです!
2019年4月に入社した私ですが、お酒を飲み始めてわずか2年。
さらに日本酒を美味しいと飲むようになったのは実は最近です。
お酒って嗜好品ですし、飲んでおいしいなぁと思うのは当たり前だと思うのですが…
いやいや!
日本酒ってもっといろんな楽しさや面白さ、価値があるんじゃないの!?と私は思うのです。
ということで、私が連載するコラムでは【日本酒×美】をテーマに飲んでおいしいだけじゃない、へぇーー!と感じる日本酒の魅力を皆さまにご紹介できればと思います。
それではさっそく、当コラム「美の徳利」スタートです☆
初回は瓶に張ってあるラベルのデザインについて取り上げます。
スーパーや酒屋などの日本酒コーナーではズラーッとたくさんの日本酒が並んでいますよね。いろいろなラベルがあってキレイです。
でも、銘柄が筆字で書かれているラベルが多いなと思って、実際にスーパーの日本酒コーナーで筆字率数えてみました!
結果…110銘柄中104が筆字。約95%の高筆字率。
普通そうじゃないのと思った方、なぜ筆字が多いのかご存知ですか?
なぜ銘柄が筆字で書かれたラベルが多いのか。考えられる2つのことをご紹介します。
1つは、通い徳利が使われていた時のなごりです。
現在、日本酒は一般的にガラス瓶に入っている場合が多いですよね。
ガラス瓶は明治末期に登場したのですが、普及するまでは江戸後期から昭和中期まで通い徳利(貧乏徳利、貸し徳利)というものが庶民の間では使用されていました。
現在の居酒屋で日本酒を頼んだ時に出てくる徳利と大きさや形が異なります。通い徳利は作られた時代によって大きさは様々あるものの、通常は一升分の量が入ったようです。大きいですね。
なぜ大きかったのかというと、お酒の販売方法も現在と異なっていたからです。
当時のお酒は酒蔵から樽に入って酒屋に届き、酒屋は通い徳利に客のほしい量だけのお酒を入れて販売していました。通い徳利は貸し出しのため、どこで購入したのか分かるように酒屋の屋号や銘柄が書かれていました。
当時は現在のような高度なプリント技術は無かったので、筆字で通い徳利に書かれた屋号や銘柄がそのまま現在の筆字デザインにつながっているのではないかと思います。
2つは、“日本らしさ”を感じさせるからです。
日本酒は日本の伝統的なお酒であり、杜氏や蔵人が丹精込めて醸造したお酒です。
近年では低アルコールの日本酒やスパークリング日本酒が登場するなど日本酒も多様化してきましたが、他の酒類と比較するとアルコール度数が高めで味わいも複雑な國酒です。
筆字、つまり書道も漢字の伝来と共に始まり、デザインとして“日本らしさ”と力強さを感じさせます。また、筆字はカリグラフィー(美的文字作品)の1つでとてもデザイン性の高い文字なのです。
伝統的な日本のお酒、日本酒が持つ独自の酒質、書道の長い歴史、それぞれが持つイメージが合って日本酒×筆字デザインが“日本らしさ”とセンスを感じさせます。
日本酒の酒質もラベルデザインも様々。
低アルコールだったり、スパークリングタイプだったり…。ラベルデザインは、カラフルだったり、絵が描かれていたり…。中には銘柄が書かれていない驚きのデザインも。最近はデザイン性の高い日本酒が増えてきたような気がします。
コラムの冒頭でスーパーの日本酒コーナーにて筆字率を調査しましたが、残りの5%の全てが低アル日本酒、もしくはスパークリング日本酒でした。
通販サイトや小売店を見ていると、低アル日本酒やスパークリング日本酒、一般に甘口と言われる日本酒は、優しい色使いや爽やかな青色をメインカラーに使用している場合が多いなと感じます。
また、筆字でなく可愛らしい字体やひらがな、筆文字であっても丸みを帯びたようなデザインになっています。
一方、辛口と言われる日本酒は筆字で黒色やビビットカラーでデザインされており、堅く、力強い印象を受けるラベルが多いと感じました。
つまり、言いたいことは酒質がラベルデザインに反映されている傾向があること!(※あくまで個人的な見解です)
お酒に詳しくない方や購入して失敗するのが怖いという方(私も含む)にとってはどんなお酒なのか想像しやすくなりますよね。それに、かわいいラベルやキレイなラベルってつい手に取ってみたくなります!
つい手に取ってみたくなる日本酒といえば…当社にもございます!
個人的にも推している季楽(きらく)の「美雪(みゆき)」「桜」「ひまわり」「茜(あかね)」。
季楽とは、四季の移ろいを日本酒で楽しむことができる季節商品シリーズです。
【冬季限定】菊の司 季楽 純米新酒 美雪(みゆき)
【春季限定】菊の司 季楽 純米霞酒 桜
【夏季限定】菊の司 季楽 純米爽酒 ひまわり
【秋季限定】菊の司 季楽 純米原酒 茜(あかね)
季楽のお酒は「ひとめぼれ」などの飯米を使用しています。全て同じ飯米、同じ酵母から誕生した全く違う表情を持っている純米酒です。
味や香りの魅力をもっとお伝えしたいところではありますが、次の機会に。
今回はラベルデザインにご注目ください。キレイだと思いませんか?(自社自賛)
銘柄はドーンッと書かれておらず、黒色が使われていないことで全体的な雰囲気を統一しつつ、繊細で上品な印象。
さらに和の雰囲気を感じさせつつ、グラデーションでやわらかな四季を感じる美しいデザインと色使い。桜など季節のシンボルとイメージカラーの組み合わせが一目で季節商品だと伝わります。
ちなみに来月6月3日に【夏季限定】菊の司 季楽 純米爽酒 ひまわりが発売されます。旨味と酸味のバランスが良く、フルーティな香りが穏やかに立っている原酒です。暑くなるこれからにピッタリですよ!
6月まで待てない!という方に朗報です。
5月18(土)・19(日)に「もりおか中津川まち歩きスタンプラリー(通称:紺スタ)」の併催企画で行われる当社イベント「きくのつかさの蔵開き2019」の蔵出し利き酒会では、いち早く【夏季限定】菊の司 季楽 純米爽酒 ひまわりがご購入いただけます。
ぜひお越しください!お待ちしております。
今回のコラムでは、日本酒に筆字のラベルデザインが多い理由と酒質×ラベルデザインの関係についてご紹介しました。
お酒を購入する際は、裏の成分表示などが書かれているラベルを見ることが多いと思います。でも、表のラベルデザインがステキだと手に取ってみたくなりませんか?
味や香りを想像しつつ、ジャケ買いするのも楽しいかもしれませんね。
それでは、次回のコラムもお楽しみに☆
商品部2019年入社の蔵人女子。奥深い日本酒の世界を日々勉強中です。連載「美の徳利」では、日本酒を「美」にまつわる視点から取り上げ、飲んでおいしいだけじゃない日本酒の魅力をお伝えしていきます。