
2016.07.21
まいど!ゆーきです。
粕取り焼酎だだすこだん、みなさんもうお召し上がりになりましたか??
「粕取りってなんか臭くてニオイが強いイメージ…」
「どんな飲み方がおいしいの??」
「そもそも粕取りってなに」
日本酒もそうですが、飲まず嫌いはもったいない!
今回は、まだ飲んだことがない方のために、このお酒のすごいところを熱く語りますよ!!
芋、麦、米、紫蘇、黒糖、そば、栗、ジャガイモ…焼酎の原料ってたくさんありますよね。一見、「そんなもので酒ができるの?!」っていう焼酎もあったりします。
粕取り焼酎の原料はご存じ、酒粕です。
日本酒のもろみを搾った際に出る、いわば搾りカス。
しかし、酒粕にはアルコールはもちろんのこと、たくさんの栄養が含まれており、美容や健康にとても良いといわれています。
そんな酒粕をもう一度タンクに戻し、水と酵母を加えて再発酵させて蒸留したものが粕取り焼酎なのです。
酒の粕から酒を造る。
日本酒ってエコで素晴らしいですね。
粕取り焼酎って、実は昔からあるポピュラーなお酒です。
焼酎大国九州で確立され、全国の酒蔵で盛んに製造されていました。別名「早苗饗(さなぶり)焼酎」とも呼ばれ、田植え後の祭りで振る舞われるなど、割とカッチリした、人々の生活に近いお酒だったことが分かりますね。
しかし、第二次世界大戦後の酒不足の時代、日本酒でいえば三増酒が蔓延っていたその頃。
焼酎にも暗黒時代が存在したのです。人体に有毒なメチルアルコールを使用したものや得体のしれない密造酒がわんさか市場に出回ったようです。そこでなぜか、それらの粗悪な焼酎が「カストリ」と呼ばれるように。「カストリ=粗悪な焼酎」としてイメージが広まってしまったのです。
まあ、たしかに、調味料がたくさん入った日本酒粕の焼酎が美味しい訳がないのですが、未だに粕取り焼酎がそんなものばかりかといったら、それは大きな間違いです。
今日の日本酒市場は「甘×酸」の流行りです。
その昔は、調味料と醸造アルコールでもろみを三倍に増やす暗黒時代は論外として、淡麗辛口がもてはやされた1コ前の地酒ブーム時代。効率よく淡麗辛口を目指すには、とにかく溶かした分をアルコールに変えなければならないので、糖分はほとんど分解され、酒粕は本当に米のカスだったのです。
ところが現在の甘口が見直された酒造りは、溶かす分は同じでも、ゆっくりと発酵を進め、
酒が辛くなる前に搾る場合が多くなりました。つまり、酒粕には糖分をはじめとする旨み成分がしっかりと残っているのです。
それをそのまま焼酎に精製すると米や香り成分の脂が多すぎるので、減圧でキレイに蒸留します。減圧すると沸点がさがるので、余計な成分が蒸発する前にアルコールを取り出すことができるわけです。酒粕の旨いところだけを詰め込んだのが「粕取り焼酎だだすこだん」です。
よく脂臭いといわれる粕取り焼酎ですが、うちの「だだすこ」はやさしい甘い香りです。
チェックのために、パソコンの横にサンプルを置いておいて、たまーに香りを嗅いでいるのですが(チェックのために)、癒される、本当に良い香りです。なんなら、蔵に来てください。嗅がせて差し上げます(チェックのために)。この香りはやはりオンザロックかストレートでお楽しみいただきたいですね!
いかがでしたか?
粕取り焼酎だだすこだん、飲みたくなったでしょう。
ぜひお見かけの際はお試しくださいね!
では。
岩手県最古の酒蔵、菊の司酒造16代目蔵元(予定)。
地元盛岡で生まれ育ち、明治大学を卒業後ブーメランで蔵入り。
日本酒「菊の司」「七福神」の他にオリジナル「平井六右衛門」を醸してます。
1991年10月12日生まれ。たまの休日は少年野球とデジイチさんぽ。
>>> https://twitter.com/HIRA6kiku